2011年に革命が起こり、未だ社会状況が混迷するエジプトに滞在したとき、この国に暮らしている人たちは、どんな理想を持って暮らしいるのか知りたくなり、街でアンケートを実施して、50枚ほどの回答を集めた。
このとき、アートで社会を表現できると知った。
生きる技術のひとつ「社会彫刻」になった。
ザンビアで、電気ガス水道のないアーティストインレジデンス、ムナンディアートスタジオに滞在した。食べ物や物資が不足する環境で、1枚の絵よりもひとつのトマトの方が価値がある日々のなかで、何を表現できるのか。
滞在した村には、泥で家を建てている人たちがいた。絵を描くことと生きることが、同じ地平にあるなら、この泥の家を建てることもアートだ。そう考え、レジデンスのホストに相談すると快諾してくれ、プロジェクトはチョンゴエにあるムナンディアートビレッジで実行された。