作品をつくることを何よりも優先して生活している。今日は朝から名刺をつくりデザインを入稿して、午後からはパピエマシェの動物をつくった。今日はトラと猿をつくった。まだ完成していない。木で骨組みをつくり、それに紙を巻き付けて、テープで固めて、それで基礎のカタチができる。水で柔らかくした段ボールとお湯で溶いた小麦粉で固める。お湯で溶いた小麦粉は糊になる。段ボールで何重にも厚くしていく。ここ数日でキリン、ネコ、シマウマ、ライオンをつくった。基礎だけ。
今日ふと動物なんか、作ってどうすんだ? と疑問に思った。 そんなものどうすんだ? と。猿を木の土台に置いたら、疑問も消えて楽しくなってきた。土台がない動物にはウッドパネルにコラージュして背景をつくることにした。立体と平面による作品展示だ。やっていれば発見があって、その先がみえてくる。 いつもそうだ。
ぼくは作品をつくって生計が成り立つのか、わからないでやっている。毎日会社で働いている人に負けないように、やってみている。つまり、自らプロを演じてみている。もし、自分がプロだったら、どんな生活をしているだろうか。朝起きて、作品をつくって、昼飯を食べて、作品をつくって、もしかしたら、夕飯を食べてその後も作品をつくっているかもしれない。毎日締切に追われているかもしれない。 例えば、小説家になりたいひとが、漫画家になりたいひとが、ミュージシャンになりたい人が、世間に認められるより前に、自分でシミュレーションして、そんな風に生活してみたら、案外、自分が描くような生き方がつくれるんじゃないだろうか。仮にやってみて、駄目だったら、それは発見だ。なにが駄目だったのか検証ができる。
ぼくは、作品を売ってみて、反応を確かめて、それを制作に反映して、自分の人生をつかって実験してみている。成功する方程式なんかない。あるとすれば、考えるより先に、どんどんやってしまうことだ。