檻之
汰鷲
ORINOTAWASHI

(2014.11.10)

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週末は中野新橋の商店街のイベント行灯祭に出展した。ワークショップとこの日のためにつくってきたパピエ・マシェでつくった動物を展示した。やるべきことは、シンプルでたくさんのひとに見てもらい、作品を「欲しい」と言ってくれる人をみつけることだ。商店街なので、どんな人が来るのか、想像してみる。ギャラリーのようにアートに関心興味があるひとだけではない、そういうひとたちにどうやってアートを届けるのか、それが最近のテーマでもある。

ワークショップは、日本語にすると「働くお店」。働くのにお金を支払う。次出来るなら、例えばワークショップの参加費は200円で、つくったものを出展して売れるとかであれば、働くお店かもしれない。実際、ワークショップで作品をつくるのではなく、その作品が欲しいという老人もいた。今回のワークショップは「木で鳥と星をつくろう」。

2日間展示して、合計で1万5000円くらいにはなった。まったく縁もない、この商店街で作品が売れて、勇気を貰ったし、まだやれると思った。日曜日は、自分は、最近付き合いのある水天宮のSLB(ソーシャルビジネスラボ)で旅についての交流会に参加してトークをした。話すこと伝えることも重要な活動のひとつ。本を書いて出版したいのも同じ目的だ。ぼくは、「つくる」「伝える」
を2つの柱にしている。トークするのは、旅の途中でやるようになって、酷い(笑)英語で、イタリアとモロッコでやった。それに比べれば、日本語で喋るのは、難しいことではない。昨日バンドのリハーサルで、仲間に作品のクオリティーをもっと高くした方がいい、と言われた。確かにそうだ。人前で話をすることはできるが、そのクオリティーも重要だ。

旅の話をすると言っても、ぼくは旅をたくさんしている訳ではない。去年、世界のひとたちがどんな暮らしをしてどんな生き方をしているのか、知るために旅をしただけだ。それを旅が好きなひとたちの前でするのは、少々気恥ずかしさもあった。でも、表現すること、伝えるということは、自分がどれだけすごいことをしているかを発表するのではなく、自分でも、こんなことができたから、きっともっといろんな可能性がある、と伝えたい。今思えば、そういう方向に話を結べばよかったかもしれない。

結局、話をしてみて、どうして旅を始めたのか、旅のなかで考えた価値について、観光ではなく、人との出会いを求めること、この3つが大きなテーマになった。話をするのは、こうやって文章を書くこととリンクしていて、頭の中から、イメージを取り出す作業でこれも慣れだ。書くことも、話すことも、つくることも、全部同じ表現方法でやっている。

ほかの人の話をきいて、おもしろかったのは、タイでゾウ使いの免許を取った話。これはまんまで、そのこと行為自体が面白い。10代の後半から旅をして、全大陸を陸路で制覇した人もいた。彼は、ヨットで大西洋を横断する計画をしているそうだ。それはもう本物の冒険者だ。ぼくも冒険を続けたい。ゾウ使いの免許を取った人が、旅とは「トラブルに飛び込むこと」だ、と言っていた。何が起こるか分からないことを恐れない、そのことを楽しむことだ、と。これは、最近のテーマにもなっているので、とても共感した。

トークが終わって、中野新橋にいくとチフミがワークショップをやっていた。今日はどうだった、と聞くと、「おばあちゃんが、さっき展示にきて、動物が可愛いと撫でていったよ。とくにライオンと猫が好きだって。つい最近、旦那を亡くしてさみしくて、この動物たちをみたら元気が出たって。だから、ライオンをプレゼントしたくなったんだけど、我慢して鳥をあげたんだ。そしたら、泣いて喜んでくれて。」その話を聞いて、展示をやってよかったと思った。話を聞きながら、作品が売れたという展開になるかと期待したけど。でも、そのすぐ後で、ライオンが欲しいという人が現れた。まさかのライオンは売れて、チフミはライオンに「よかったね。よかったね。」と話しかけていて、暖かい気持ちになった。

10月の代官山での個展からの連続した活動が一段落して、次の展開は始まる。と言っても、同じように作品をつくって、それをひとに伝えていくことには変わらない。ぼくの部屋の壁には、今年の目標「(1)作品を売る方法システムをつくること」「(2)本を出版すること」「(3)アトリエをつくること」の3つが貼ってある。週末は、その(1)と(2)を実践することができた。まだまだやれます。

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